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 10月25日(日)、安芸高田市甲田町下小原で水土里の探検隊2009が開催されました。
 都市で生活している方たちに、ウォーキングを通じて農業・農村の役割や大切さの理解を深めてもらうことを目的に、「水土里の探検隊」として開催しているこのイベントは、今年で3回目となり、今回は60名が参加しての開催となりました。
 当日は朝方、霧が立ち込めて日差しもなく、少し肌寒く感じられましたが、ウォーキングにはちょうどよい天候でした。
午前9時12分、広島方面からの列車が到着すると、JR吉田口駅前は降り立った参加者でにぎわいをみせました。受付と開会式を行った後、いよいよスタートです。

 芸備線の線路に沿ってしばし歩き、最初の見学ポイントの法恩地南古墳へ到着しました。この地域には6世紀後半の古墳が多く発見され、土器や装飾品も出土したそうです。

 古墳を後にした一行は、続いて、クリーンカルチャーグループに所属されている沖田さんのビニールハウスを見学しました。
クリーンカルチャーグループは、平成4年度に7人の農家で設立され、現在14人の農家と1法人が全国有数の施設規模で経営を進めています。ここでは、養液栽培で青ネギを栽培しています。巨大なビニールハウスの中で、出荷目前のものから定植して間もないものまで、整然と並んでいる様子は壮観でした。
また、定植作業(苗の植付)も体験しました。

 ここからは、稲刈りの終わったほ場の真ん中の道を歩きます。この小原地区は、鎌倉時代末から毛利家に仕えた渡辺氏のゆかりの地でもあります。謀反を企てた際、毛利元成と戦った7人を祭った渡辺七人塚や、居城であった長見山城跡といった史跡があります。

 しばらく田園風景の中を歩いて、次の見学ポイント、石仏井堰に到着しました。地区を流れる戸島川に設置されているこの井堰は、昭和39年に完成し、幅25メートル、高さ1.5メートルの鋼鉄製で、エンジンを動力として油圧でゲートの開閉を行います。この時期は農繁期を終えているため、ゲートは開けてあるのですが、この日は実際に開閉する様子を見学しました。けたたましいエンジン音と共に、ゆっくりとしたスピードでゲートが上がり始めると、参加者から歓喜の声が上がりました。

 午前の行事を終えた一行は、昼食会場の小原中央集会所へ到着しました。そこでは地元の女性会の方たちが腕によりをかけた、地元の食材を使ったごちそうが待ち構えていました。
 安芸高田市地域営農課の清水課長と(株)トペコおばらの迫廣社長から歓迎の挨拶を受けた後、いよいよ昼食です。押し寿司や栗ご飯、広島菜の白和えやキャベツのマスタード炒め、ネギ焼きなどがバイキング形式で提供され、さつま汁やネギ焼きは、おかわりが殺到して早々になくなってしまいました。
また、野菜市も開催されました。中には瞬く間に売り切れてしまうものもあり、こちらも大変好評でした。

午後からは、まずビオトープに向かいました。小原地区のビオトープは、地区内で行った環境調査で絶滅危惧種のメダカをはじめ、多種多様な生物が確認されたのを機に、生態系への負担軽減のため、平成19年度に設置されました。現在では地域の人たちの憩いの場にもなっています。
説明を受けた後、網を手にして、生き物調査を行いました。張り切りすぎて手を泥んこにする人もあり、童心に帰って楽しんでいました。

最後に広島菜の収穫体験を行いました。作業方法の説明を受けた後、包丁を手に順番に畑に入ります。
少しでも大きな株を取ろうと真剣に品定めをする人もあり、思い思いの株を切り取っていました。

予定していたすべての行事を終え、全員無事にゴールのJR吉田口駅に到着しました。
駅前広場で閉会式を行った後、参加者は両手にたくさんのお土産を抱え、帰路につきました。





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